Love Prince―18歳の初恋―【完】
頼み事が何だろうと、とりあえず、癒杏を寝かせたい。

癒杏に謝り、母親に任せてリビングに戻る。

陵介を見れば、杏奈ちゃん独断の頼み事らしく、首を捻られた。



「龍介お兄さんに明日(あす)、ご都合が付けて貰っていいですか?」



「何で、龍介?」



「私は明日、学校に行って、校長先生とお話しようと思います。陵介は頭ごなしな所がありますし彼氏じゃないと、癒杏が言ってしまった。お兄さんが事実を言えば、立場が危ぶまれるかも知れませんし、癒杏も学校へ行けなくなるかも知れない。そこで龍介お兄さんなら、彼氏役にもなれますし、大人でもありますから、上手く話が進むと思いまして」



真っ直ぐ俺を見据える目に、嘘はないと思った。
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