Love Prince―18歳の初恋―【完】
しかし本当は、龍介を選んだ理由にわけがあるとも気付かずに、俺は頷いた。

龍介にメールをし、明日の朝、来るように伝えた俺に、陵介は気に食わなさそうに見て来る。



「何だよ」



「杏奈があっちの兄貴と…」



今の状況で、ヤキモチを妬く馬鹿だとは。

龍介と2人にさせるのが嫌なら、運転手にでもなれば良い。

癒杏が気になるのか、仕事を途中で切り上げて来た親父は、母親の代わりに、キッチンに立った。

作れる料理はカレーとラーメン。

でも親父は、冷蔵庫に貼られたピザ屋に電話をし、適当に注文しただけだった。
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