Love Prince―18歳の初恋―【完】
ビールを呑む気分にならず、ソファーに座り、ピザを待ってると、母親に手を引かれた癒杏が現れた。

俺の隣に座ると、シャツの裾を掴む。



「先生…くまさん…」



消え入りそうな声で、サイドテーブルに置かれたテディベアを指差す癒杏。

渡せば子供のように、抱き締めて眠りそう。



「眠いなら寝ろよ?」



「どこにも行かない…?」



「当たり前」



癒杏は安心したのか、テディベアに頭を預けるようにして、目を閉じた。

2階を指差す陵介に首を振り、ソファーで寝かせる事にした。

起きた時に1人だと、泣くんじゃないかと思って。
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