Love Prince―18歳の初恋―【完】
19‐杏奈SIDE



―――癒杏が通う高校の前。

私と龍介お兄さんは、送ってくれた陵介に、「行ってくるね」と伝えて、職員室を目指した。

来客専門の玄関から入れば、職員室と校長室の扉。

龍介お兄さんが開けてくれて、私は中に入った。



「おはようございます…保護者の方ですか?」



私は駆け寄って来た先生に頷き、お兄さんを見た。

お兄さんは私に気付くと、昨日と変わらず固い表情。

ギリギリまで癒杏と居てくれたから、今日は顔を合わせられなかったんだ。



「私、貞包癒杏の姉です。
校長先生、いらっしゃいますよね?」



自分を落ち着かせるのは、意外に怒りの気持ちだった。
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