Love Prince―18歳の初恋―【完】
「親…の前よ?そろそろ離れないとね。まぁ、父親らしさはないけれど」



叔母様に注意され、さっと離れると、パパは苦笑いをして、私たちに背を向けた。

1人、お墓へと行こうとするパパを追い掛けようとすると、叔母様に止められた。



「今日は1人にしてあげて?
たまには、2人で話したい筈よ」



私が頷くと、叔母様は微笑み、煙草を取り出した。

綺麗にネイルの施された指先でライターに火を点けると、紫煙が斜めに傾きながら、空へと向かって行く。



「貴方も勇気があったわね。ゆあちゃんの父親に、助けを求めるなんて」



髪を掻き上げた叔母様は、横目で先生を見た。
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