Love Prince―18歳の初恋―【完】
21‐無記名の手紙
―――翌日、早起きした私は、矢田のパパの為に、外のポストへ新聞を取りに行った。
「ん…?」
新聞の上には、無記名の、宛先すら書かれてない白い封筒。
辺りを見渡しても、誰も居ない為、私はご近所の人だろうと、開けずにママの所へと持って行った。
「えー?誰かしら」
お味噌汁を作るママは不思議そうに、事情を話した私へと振り返って来た。
「代わりに開けようか?」
「お願ーい」
ママは生わかめを水で洗いながら私を見る。
私は頷き、封筒をビリビリと開封。
「…いたっ……」
「癒杏ちゃんッ!?」
足元に落ちた封筒と便箋。
便箋に付いてたカミソリで、人差し指を深く切ってしまった。