Love Prince―18歳の初恋―【完】
…昔、何かあったの?

心の中では素直に言えるのに、口では言えなかった。



「14年か…」



隣からの声色は、私を見ずに、違う所を見て言う。

14年前は、龍哉が18歳。

私と同じ、高校生の頃の話だろうか。

マグカップの中のココアは甘く、今の私には合わない。



「さぁ、食べて」



「…いただきます」



ママは箸ではなく、スプーンとフォークを出してくれた。

卵焼きを頬張るも、昔みたく食欲が出て来ない。

ストーカーは嫌。

でも、龍哉たちの言葉の意味が知りたい。

私には、教えてくれないのだろうか。
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