Love Prince―18歳の初恋―【完】
いつもより5分、遅く出発する先生を玄関まで見送り。



「気を付けてね」



「あぁ。お前は何も考えずに寝てろよ?」



頭を撫でてくれる龍哉。

訊けない自分がもどかしい。

勇気のない自分が、大嫌い。

掃除の手伝いで、階段や廊下を雑巾で拭いて行く。

隅々まで拭いてると、デニムの後ろポケットで、携帯が震えた。

“非通知”――。

出ても良いのだろうか。

初めて表示されてる文字に戸惑う。

ーーピッ…

しかし私は、出てしまった。



『――死ね』



ーープツッ

一言だけで切れた電話。

でも、メールでも同じ言葉が、送られて来た。
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