Love Prince―18歳の初恋―【完】
辛くて、悲しい。

声を出さないように、ただ泣く私の前に、お姉ちゃんが来た。

陵介君に案内されて来たお姉ちゃんは、今朝と同じ封筒を出して、先生に渡した。



「――開けちゃダメッ!!」



指が切れた事を思い出し、咄嗟に奪い、握り締めた。

…あ…。



「癒杏…!」



「お前なぁ!何で握るんだよ!」



ポタポタと垂れる赤い液。

今朝のより多く付いたカミソリで、左の手のひらに、無数の切り傷が出来た。



「龍哉が怪我したら…私は耐えられないもん…泣いちゃうもん…っ…」



「もう泣いてるだろ」



先生にタオルで止血されると、そのまま抱き上げられた。
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