Love Prince―18歳の初恋―【完】
キッチンでは、ママが何かを作ってる。



「ママ見て?お姉ちゃんがくれたの!」



「あら可愛いわねぇ。これに詰めて良い?」



「ん?」



ママはお弁当箱を私から受け取ると、みんなをキッチンから追い出した。

ケチャップと芳ばしい匂いを嗅いでると、ママがお弁当用の小さなフォークをテーブルに置きに来た。



「ほら癒杏ちゃん。ママ頑張ったから、食べてね?」



私に手渡されたのは、くまさんのキャラ弁。

ケチャップライスで、くまの顔を作ってあった。

崩すのがもったいない気もするけど、私は「いただきます」と、フォークを掴んだ。
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