Love Prince―18歳の初恋―【完】
「……ッ……」



一口、一口。

大切に味わいながら食べてると、何故だか涙が流れて来た。

お姉ちゃんと、ママの優しさが、心に深く深く刻まれて行く。



「鼻水が垂れちゃうじゃないっ」



お姉ちゃんがティッシュで鼻を拭ってくれる。

涙とケチャップの酸味とが混じって、不思議な味。

また食べたくなる、甘くて、しょっぱい味。



「いっぱい食ったな」



完食した私に、先生は後ろから抱き締めてくれた。

四方八方から頭を撫でられ、髪の毛はグシャグシャ。

髪の毛も直さずみんなを見てると、また頑張れる気がした。

また、学校へ行こうと思った。




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