Love Prince―18歳の初恋―【完】
私が背を向けると、どこからか、男の人が3人、現れた。

…何で?

右に避ければ、1人が動く。

左に動いても、同じ。



「何ですか!」



「俺はお前が嫌いだ」



「そう、ですか」



後ろから聞こえた井ノ原先生の声は低い。

けど、この人に嫌われても動じない私は、特に気にとめる事なく頷いた。



「――矢田を選ぶような、お前が憎いんだ」



しかし、背筋が凍った。

更に低くなった声に怯えたわけではなく、あの封筒をポストに投函したのは、間違いなく井ノ原先生。

体操着やお弁当を盗んだかはわからない。

でも――…。
< 217 / 440 >

この作品をシェア

pagetop