Love Prince―18歳の初恋―【完】
「メチャクチャにしてやりたい」



「……ちょっ…何ですかッ!?」



後ろから抱き締められた。

昨日の龍哉の温もりが消えてしまう。

必死にもがき、井ノ原先生から離れる。



「逃すかっての」



しかし、仲間に抱き締められ、逃げる事も出来ない。

この公園は、住宅街から離れ、人通りも少なく、もしかしたら、わざとここを選ばれたのかも知れない。



「離して…っ…!」



先生以外の人の温もりなんていらない。

龍哉以下の腕の中だけが、私の居場所なんだ。



「りゅう…りゅう゛…!」



「――あーあ。癒杏ちゃん、泣かせないでくれるか?」



私の頭を掴もうとする井ノ原先生の手から逃げてると、陵介君の声が聞こえた。
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