Love Prince―18歳の初恋―【完】
正解のない人生で、こんなにムキになるなんて、馬鹿みたいに思われるかも知れないのに。



「私も、陵介が好きよ。ずっと一緒に居たいと思う。…癒杏みたいに、何事も信じれるように、ならないとね」



頭を撫でられ、反省した私に、龍介さんが「純真無垢だね」と言った。



「癒杏ちゃんみたいに、前だけを向いて生きてたら、俺もちゃんと、嫁を愛せた気がする」



「…俺も。邪念に惑わされやすい生き物になったらダメだな」



離婚したお坊さん。

離婚しそうな龍介さん。

2人は寂しそうな笑みで顔を見合わせて、ビールを呑んだ。
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