Love Prince―18歳の初恋―【完】
「あんた、貞包の姉貴?妹に値段を付けるのか」



「これは、癒杏の価値に値しないお金です。足りないなら、もう50万円ほど降ろして来ますけど?
…それとも、お兄さんたち呼びましょうか」



「……」



私は口を閉ざした井ノ原先生にニヤリと笑い、「さようなら」と告げて、病室を出た。

これで、後は癒杏が学校に戻ってくれたら良い。

やりたい事を見付けるのは、高校を卒業して、大学に行きながら見付けてくれて構わない。

癒杏が自分の手の中で大きくなる事が良くて、正しいと信じてるから。

平凡で良い。

何かを求めなくても、癒杏なら見付けられる。
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