Love Prince―18歳の初恋―【完】
私は先生のオムライスに、“バカ”と書き加えた。



「お前が馬鹿だ」



先生は気にせずに、オムライスを食べ進めて行く。

ムキになる私に、「食べたら帰るよ」と、陵介君が声を掛けて来た。

…そうか。

今日は長居は出来ないんだ。

残念だけど、仕方ない。

ご飯を食べ終えた私は、キッチンにお皿を片付けて、鞄を持った。



「矢田先生、バイバイ」



「おぉ。明日な」



…明日!

毎日、会える!

明日からまた、アピールタイムがちゃんとある。



「癒杏ちゃん、行こうか」



「はぁい」



私はパパやママ、先生に手を振って、矢田家を出た。




< 27 / 440 >

この作品をシェア

pagetop