Love Prince―18歳の初恋―【完】
ヘラで生クリームをペタペタと塗り、スライスされた苺を挟む。

重ねてまた生クリームを塗って、ヘタの取られた苺で上面を埋めると、お姉ちゃんがチョコのプレートを載せた。

“Happy Birthday PAPA!”

お姉ちゃんの手書き。



「…何て意味?」



「…お誕生日おめでとう。学校で習ったでしょ?;;」



「……;;」



去年も教えて貰った気がして来た。

私は苦笑しながら、手を洗って、グラスを五つ準備。



「こうなるなら、お兄さんと陵介も呼べば良かった」



「…そう、だね…」



こんな時、自分が嫌いになる。

お姉ちゃんの気持ちが、自分と同じだと気付く勘の鋭さが怖い。
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