Love Prince―18歳の初恋―【完】
小さい頃から、お姉ちゃんの作るご飯が大好きだった。

昔は焦げたり、しょっぱいくても甘過ぎても、お手伝いさんのご飯よりたくさん食べた。

いつしか本当に美味しい味付けになってたけど、家庭の味=お姉ちゃんの料理って、覚えてた。



「いつも…3人でパパを待ってた…。大人になると…バラバラ…」



私は2階に上がり、鞄から携帯を出した。



『…もしもし』



「先生…帰りたい…」



抱き締めるもの。

傍に置いとけるものがないこの部屋は、更に辛い場所。

リビングより、居心地が悪いんだ。
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