Love Prince―18歳の初恋―【完】
けど、目尻にキスをすると、しょっぱいモノが、自身の唇に触れた。



「…泣かないって決めたのに…。人前で泣いたら…家族を守れないの…!」



俺の体を叩き、離れて涙を拭おうとする杏奈。

しかし俺はキスをして、ただ素直に泣かせようとした。



「お前が、杏奈が1人で頑張らなくて良い。俺が杏奈を支えるし、家族を一緒に守るから」



「そしたら陵介に迷惑を掛ける…疲れちゃうよ…!」



「お前の家族は俺の家族になる!迷惑でもないし、疲れたりなんかしない!」



杏奈の肩に手を置き、そう伝えると、俺から顔ごと背き、深呼吸をした。
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