Love Prince―18歳の初恋―【完】
30‐龍哉SIDE
癒杏の実家の前に着き、車から降りると、泣き声が響いて居た。
“先生”と聞こえ、癒杏が俺を呼んで、泣いてるんだとわかった。
ーーピンポーンッ
すぐにでも、玄関のドアを開けて飛び込みたいが、それは出来ず、門の呼び鈴を鳴らした。
扉が開くと、癒杏の親父さん。
誰かに合図をすると、杏奈ちゃんよりは年上の女が門を開けに来た。
「…どうも」
誰かは気になったが、俺には関係ない事。
適当に挨拶をして、中へと入る。
「こんばんは」
「…先生…!」
親父さんに挨拶をした瞬間、癒杏が飛び付いて来た。