Love Prince―18歳の初恋―【完】
「癒杏…?」



しかし、気付いた時には、俺に凭れて寝ていて、脱力して居た。

抱き上げ、再度、頭を下げる。



「いつも世話になって、すまないね…」



「いえ。こちらこそ、ご挨拶もせずに。教師としても、大人としても、失礼しました」



ぎゅっと俺の服を握って眠る癒杏は、丸で赤ん坊。

何があったか、首を突っ込む気はない。

でも…、癒杏の手首が赤くなってるのを見て、思わず素で、眉間にシワが寄った。



「あ…すいません。これは俺が掴んだ時に…」



俺の様子に気付いた癒杏の兄貴が、申し訳なさそうに、事情を説明した。
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