Love Prince―18歳の初恋―【完】
それは許す許さない問題ではないが、癒杏の過去を知ってる筈なのに、“ふざけるな”と、思った。



「そうですか」



顔には出さないが、かなり棒読みになった。



「癒杏さん、どうしましょうか?」



連れて帰るつもりだったが、断られたら、部屋に寝かせて帰るしかない。



「癒杏は陵介君家に慣れてしまって…。起きた時、龍哉君だったかな?君が居ないとダメだろう。連れて行ってくれないか。父親が言うのも情けないけど、俺じゃダメなんだ」



「わかりました。責任を持って、お預かりします」



俺は手渡された荷物を持ち、頭を下げて、車へと向かう。
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