Love Prince―18歳の初恋―【完】
「ずっと…甘やかすところは甘やかして、学校は皆勤賞を目指させたりしました。けど、間違って居なかったとしても、お兄さんの隣に居るあの子の笑顔は見た事がなくて。日を増す毎に、あの子を自由に居させた方が良いって、思ったんです」



杏奈ちゃんは鞄から、記入済みの退学届を出した。

高校を卒業させたいだと、陵介を通して聞いた記憶があるけど。



「やりたい事があるなら、その道に向かわせます。なので…あの子だけは、お兄さんの傍で、成長させて下さい」



杏奈ちゃんは俺たちに頭を下げ、本気を見せてくれた。
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