Love Prince―18歳の初恋―【完】
「兄貴に惚れてるのは構わないけど、癒杏ちゃんの事に口を挟むな」



「な、何を言ってるんですか?
私はその…別に」



「なら、人の親に色目を使わずに帰ったら良かっただろ」



まるで陵介君は、私の気持ちの代弁者。

心に溜まった鬱憤が、少しずつなくなって行く。

消えないのは、モヤモヤとした、気持ち。

それはきっと、ヤキモチと云うもの。



「陵介。野村さんは龍哉を送ってくれたんだ。失礼な事を言うな」



パパは陵介君を叱る。

反発したい中、罪悪感もあり、何も言えなかった。

拗ねるだけしか、私には何も出来ない。
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