Love Prince―18歳の初恋―【完】
「ママの指輪に、同じ事が書いてあったの。パパが、ママへ贈った婚約指輪に」



私はジュエリーボックスに残された指輪を取り、先生の左手に嵌めた。

手を重ねて見つめると、何だか結婚指輪でもイケると思った。



「“Precious you.”かけがえない君」



「……え?」



「初めて女と付き合ったのは、中学の卒業式からだから、まだ15歳だった。それから17年、ぶっちゃけ、惚れた女は、癒杏だけだった」



先生は照れ臭そうに、私から顔を逸らした。

カーテンの隙間から見える月を見据えながら、ぎゅっと私の手を握ってる。
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