Love Prince―18歳の初恋―【完】
私はこの時、初めて龍哉に気持ちだけではなく、全てを預けたいと思った。

映画のシーンの濃厚な絡みだって。

誘拐された時のモノだって、先生となら嫌ではない。



「…一生、お前となら居たいと思う。誰かじゃなく、天然で方向音痴な癒杏と」



振り返った先生と目が合い、私は更に、落ちた。

いなりでも、雷でも何でもない。

矢田龍哉に――…。

引かれるように、先生に顔を近付けると、自然と唇が重なった。

今夜の私たちは、男と女。

いつもみたいなキスじゃない。

先生の舌は、私の舌を離さない。

初めてで、どうしても逃げてしまう私の舌に、激しく、追って来る。
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