Love Prince―18歳の初恋―【完】
「あ…。お帰りなさい」


ドアに凭れて立ってると、陵介君とお姉ちゃんが階段を上がって来た。

私は階段を下り、1階まで降りた。

玄関を出て、ガレージにあるベンチに座り、空を見上げた。

流れる雲。

ちょっと灰色で、雨が降りそう。



「何してんだよ」



すると先生が現れた。

「少し出掛けるか」と、車のキーを見せながら、私の手を引いた。



「話があるんだ」



抵抗しようかとも思ったけど、そう言われたら、出来ない。

解錠されたプリウスの助手席に乗り込み、テディベアを抱き締めて前だけを見てると、車は高速に入ってしまった。
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