Love Prince―18歳の初恋―【完】
2人でママのお墓に背を向けて、街に沈む夕陽を見つめる。



「校長たちにバレた。お袋も呼んで否定したけど、俺の責任でしかない」



「何で、いきなり…?」



「野村。だろうな…」



私は改めて、自分の立場を思い知った。

守られてるだけの女。

パパの名前があれば、誰にも言われなかった。



「仕事、辞める。迷惑掛けると思うけど、頑張って建築士になるから」



―――先生が先生でなくなると、気付いた瞬間は、恐怖を感じた。

私は守られて生きて来たと、強く強く思い知らされた。

次は私が、先生を支える番だ。




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