Love Prince―18歳の初恋―【完】



―――翌日、私は先生が起きる前に起き、机の引き出しにある先生の退職届を破って捨てた。

久しぶりに制服を着て、携帯の地図を頼りに、学校を目指した。

自分で買った事もない切符だって、乗り換えだって1人で頑張った。

満員電車も、駅から学校までの道のりも、誰にも頼らず、涙を堪えて来た。

しっかりとした、大人になりたくて。



「貞包?」



学校まで、30分以上も掛かったけど、何とか着いた。

校門でホッとする私に、早出だったらしい、三浦先生が声を掛けて来た。

車から降り、門を開ける三浦先生。
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