Love Prince―18歳の初恋―【完】
でも、私の気持ちをわかって欲しかった。

龍哉の気持ちが、嬉しくなかったわけではないけど。

今日ばかりは譲れなかった。

2人の将来を、1人で抱え込んで欲しくないから。



「私は、2人で生きたいの。
私にだって、龍哉を守れるんだよ…?」



「だとしてもな…」



なかなか頷かない龍哉。

私は龍哉の手を握り、「わかってよ」と、伝える。



「矢田先生。貞包に従いませんか?」



三浦先生からも助け船が。

龍哉は「負けたな」と言って、私の頭を撫でた後、退職届を破った。



「教師、続ける。何があっても」



そして、私にそう誓ってくれた。
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