Love Prince―18歳の初恋―【完】
35‐小悪魔の出現
梅雨に入り、ジメジメとする室内で、私はネイルチップの発送準備中。
封筒に宛先シールを貼って、チップが入ったケースと、メッセージカードを入れるだけ。
でも、発送先が間違わないように、集中。
13時に届いて、メール便のお兄さんが来る15時までに仕上げる。
1週間に1回で、14〜20件は何気に大変。
でも、デザインの勉強になる。
このデザインで、私はこんな応用をしたいと、考えると、ネタが尽きないんだ。
『癒杏ちゃーん?亜果利ちゃんよー!』
「あ、はぁい!」
私は作業を止めて、玄関まで急いだ。