Love Prince―18歳の初恋―【完】
「何の音だよ!?」



「ちょっ、癒杏ちゃん大丈夫?;;」



リビングに居た3人も来た。

ママが私の頬に手を添え、顔を覗き込んで来る中、先生が硬式野球ボールを手にしていた。



「かなりの実力があるヤツだな」



陵介君はそう言うと、ボールを奪い、構えた。



「正しい使い方も知らねぇで…」



フォームだけを決めた陵介君に、ママが「馬鹿な真似だけは止めなさいよ」と言う。



「何とかなるもんだって」



真剣なママに対し、陵介君はニヤリと笑って、先生を見た。

龍哉は私を見下ろし、割れた窓ガラスの向こう側を、見つめていた。




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