Love Prince―18歳の初恋―【完】
「あいつはこの貞包の、家族にはなれないか?」



お兄ちゃんの子犬のような目に、私は何とも言えず、お姉ちゃんを見た。

お姉ちゃんはサラダを混ぜながら、「そんな事もないけど」と言う。



「私たち、小さい頃から3人で。料理と土日の掃除・洗濯は、ずっと私とお兄ちゃんの仕事で、正直…私たち以外の誰かが居るって、不思議な感覚なの。妹として、お兄ちゃんに独占欲が出ちゃうのよ」



お姉ちゃんの本心に、お兄ちゃんは「それは俺も」と言った。



「俺だって内心、杏奈と癒杏の彼氏に、良い気はしなかった。でも、幸せを願えば、そんな気持ち、なくなった」



お兄ちゃんは私たちに、優しく、微笑んだ。
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