Love Prince―18歳の初恋―【完】
「私…何かしましたか?」



その場で問い掛けると、赤い傘を射す女性が、私に近付いて来た。



「傘…安そう」



見るからに、お姉ちゃんの赤い傘と違い、私の傘よりも安そうで、口にしてしまった。



「傘なんて、使えれば良いの。
それよりも、貴方が本当に貞包家のご令嬢か、龍哉の彼女として相応しいか、テストがしたいの。良いかしら?」



「保険証に“貞包”ってありますけど…」



わざわざテストされても。

私は鞄から財布を出して、クレジットカードと、保険証を見せた。



「そう。では後は、龍哉の恋人に相応しいかを調べるわ。
今夜、私の家にお招きします。
舞踏会しませんか?」



…“舞踏会”。

今時?
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