Love Prince―18歳の初恋―【完】
「ちょっと、待てよ?」



矢田先生は立ち上がり、携帯で誰かに電話をしている。

私は自分の泣き声で聴こえずに居る中、また数人の先生が来て、みんなを教室に向かわせる。



「今から俺が病院に連れて行きますから。……お前たちも教室で待ってろ」



「わかりました。甲崎ーコウザキーは、私と久遠ークドウー先生で何とか」



「はい…」



「先生…っ…くまさん…くまさん…」



矢田先生に抱き上げられたまま、車に乗せられると、乗り慣れたプリウスとわかったのに、テディベアがない事に気が付いた。

何故か膝枕されたままだが、手を伸ばす。

すると、運転席からは、「これだよね?」と、陵介君の声が聴こえた。
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