Love Prince―18歳の初恋―【完】
腕に閉じ込めたテディベア。



「杏奈に連絡した。今、親父さんに連絡してくれてるから」



「それより、このクマの持ち主は貞包か。…貞包?」



顔の痛みが、麻痺したようになくなると、眠気が襲って来た。

くまさんの頭を撫でると、先生も頭を撫でてくれた。



「せんせ……すき……」



寝惚けながら言った、この小さな声は、先生に届いたかはわからない。

でも、気持ちは大きなモノだから、届いて欲しい。

お姉ちゃんと陵介君の為に諦めるほど、軽い恋じゃない。

この初恋、実らせたい――…。




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