Love Prince―18歳の初恋―【完】
「…8時まで5分だよ;;」



「まだ5分ある。お前はアイロンとスプレー持ってけ」



「うん…」



歩斗さんとひまわりさんの会話が聞こえる。

私は地獄耳なんだろうか。

携帯で時間を確認すれば、もう56分で、後4分になってる。

8時に連れ出すなんて、無理だったんだよね。

休みの日は、部活がない時、9時を過ぎないと行動を開始しないし。



「癒杏ちゃん。式場は何時まで抑えてるの?」



アザミさんが、付け睫毛をケースから出しながら、訊いて来る。



「10時半まで…。披露宴の会場が、10時から13時だったと思います」



私は目を閉じながら答え、アイラインを引かれ、付け睫毛を付けて貰った。
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