Love Prince―18歳の初恋―【完】
手には花や紙袋があり、お見舞いに来てくれたのだとわかる。



「龍哉、陵介。何があったか言いなさい」



「…別に」



「じゃあ何故、癒杏ちゃんは泣いてるのよ!」



ママはソファーに持って来た物を置くと、陵介君とお姉ちゃんを連れて、病室を出た。

お兄ちゃんは「売店」と言い残して、気まずい部屋から出て、取り残された先生は、ため息を吐きながら、ソファーに座った。



「先生、大丈夫なの?」



「何が」



「そりゃあ、学校でしょ」



亜果利に言われ、先生は思い出したのか、ハッとして病室を出た。

岳が「案外、わかりやすいな」と呟く中、私は窓の外をボーッと見てた。



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