Love Prince―18歳の初恋―【完】
6‐振り出し地点
太陽が出てるのに、雨がポツポツと降り始めた。
…きつねの嫁入りだ。
窓に滴を見つめてると、「何を見てんだよ?」と、矢田先生が、視界に入って来た。
「あー、先生!きつねの嫁入りだよ!」
「……何か嫌な予感;;」
「何が?あ、“癒杏の嫁入り”も近い?」
「は?;;」
「嘘ー!(笑)」
場を盛り上げる為に、いつも以上にふざける私に、先生は気付かずに、苦笑してる。
岳と亜果利は呆れて、後ろから私の頭を叩いて来た。
「何で、叩くのぉ…」
半泣きの私に、亜果利は「あんたが馬鹿だから!」と、怒られた。