Love Prince―18歳の初恋―【完】
矢田先生を見て正座をし、ニコッと微笑んだ。

きっと、空気が重くなるから、最初に軽くしとく。



「私の誕生日、3月14日なの」



「それが?」



「亜果利たちと、同じ年…って言ったらわかる?」



「学年が、一つ上って事か?」



「ピンポーン!!(笑)」



笑う私に、先生は固い表情なままだった。

それに、「留年したのか?」とまで、言われた。



「ううん。中学1年生になる年に、誘拐されたの」



「……」



「それで、対人恐怖症って病気になって、入学を1年遅らせて、一つ下の学年の子と、同級生になったってわけ」



義務教育だから、本当は進級は不可能ではなかった。
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