Love Prince―18歳の初恋―【完】
顔の右半分のガーゼを外す岳のお父さんは、みんなに見えないようにしながら、ペンライトを出して、私の目を確認する。



「目に異常はなさそうだね。
カルテを見せて貰ったら、脳神経の検査は明日になってて、気になって」



「今日は患者さんが多いみたいだから、仕方ないですよ!」



ガーゼをつけ直してくれた岳のお父さんを見上げると、覗き込んでた岳に、肘鉄を喰らわせた。

「ぐはっ!」と、鼻を押さえた岳に、みんなから同情の視線が集まる。



「お前が見る必要はない」



「だって…気になるだろ!;;」



…悪趣味;;

思わず、そう思った。
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