Love Prince―18歳の初恋―【完】
―――夜になり、先生とママが残ってくれた。
お姉ちゃんは、陵介君が気になるから帰ったらしく、メールをくれたけど、お兄ちゃんから連絡はなし。
パパもわからないみたい。
「癒杏ちゃん、食欲ない?」
テーブルの上に置かれたお膳に、私はほとんど箸を付けなかった。
食べると寂しい気持ちになってしまったんだ。
冷たいご飯。
もう温いお味噌汁。
おかずの鰤の照り焼きは、病院食だけに味が薄くて口に合わない。
「ママのご飯が良い…」
「退院したら、たくさん作ってあげるからね?」
箸を持ったまま、俯く私の肩を、ママが抱いてくれた。