Love Prince―18歳の初恋―【完】
我が儘を言っても、今はこれを食べなきゃいけないとわかってる。

なのに、食べれない。



「貞包。ちょっと歩くか?」



「何をいっ…――」



「歩くー…」



先生の提案に、ママを遮り、頷いた。

病院は苦手だし、気分転換に、外に出たい。

ローファーに足を入れ、踵を踏んでカタカタ音を起てて、病室を出ると、先生は喫煙所がない為、病院の入り口まで来た。

携帯灰皿と煙草を取り出すと、私に煙りが掛からないように吸い出す。



「やっぱり、先生は大人ですね」



「そりゃあ、30も過ぎてるからなー」



それがまた、私には魅力的。
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