Love Prince―18歳の初恋―【完】
腹から息を吸い、叫ぶ。



「―――癒杏ッ!!!!」



「…せんせーっ!!」



俺に気付いた貞包は、涙をボロボロ溢して俺を見る。

暴れても良いが、“先生”と呼ばれた分、厄介だ。



「癒杏…」



「誘拐じゃねぇかよ」



中西たちも駆け付けて来た。

…こいつ。

俺は男たちを鋭く睨む中西を見た。



「喧嘩、出来るだろ」



「空手二段ですが何か」



口は固そうだし、クビになっても構わない。

俺は中西の腕を引っ張り、逃げようとする男2人の行く手を塞いだ。

近くで見ると、俺よりデカイ。
< 91 / 440 >

この作品をシェア

pagetop