Love Prince―18歳の初恋―【完】
手段を選ぶ前に、中西は「お父さん遅い」と言いながら、首を回した。



「では、許可も出てるんで、先ずは一発、失礼っ!!」



ーードカッ



「――ぐはっ!;;」



中西の回し蹴りが決まると、貞包を抱えた男が、反対方向に逃走を図ろうとする。



「そっちに行かない方が…」



時既に遅し。

俺のアドバイスも虚しく、舘林ータテバヤシー(岳)に追い詰められてる馬鹿1人。



「癒杏を離せ」



「いるか、こんな女!!;;」



「……へ?」



「――危なっ…」



投げられて呆然としてる貞包を受け止めると、また鈍い音が響いた。
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