みんな同じ顔
「何いってんの?」
私は冷や汗をかいていた。
この世界は何?
夢…長い夢を見てるの?
それとも…私は…死んじゃったりしたのか?!
「どうしたの。何も驚くことはないじゃない。
だって、この世界にいるのは私だけでしょ」
まぎれもなく私に似たそいつは後ろを向いて指をさした。
そこには、
私がたくさんいた。
世間話をしている私。
友達とケンカしている私。
無邪気に雪合戦をする私。
どうしてだ?
同じ顔が並んでいると、とっても怖い。
「この世界は何なの?」
私がそう言うとソイツは笑って言った。
「イデアの世界。」