みんな同じ顔
鏡の中の世界
…いや、何を言っているんだ、私は。
鏡の世界なんて嘘だ。
真実は自分の目で見えることだけじゃないか。
現実の世界でも、
いつだって鏡は嘘の私を写していたじゃない。
本当の私の顔は、他人しかわからない。
そうだ、私はしばらく鏡で顔を見ないうちに、
自分の顔を認識できなくなっているだけだ。
あれ?でも、何が本当なの?
今の、私の目は何を見ている?
左右逆転の世界?
イデアの世界?
鏡の世界?
私はどこに来てしまったんだろう。
私は鏡を見つめ考えた。
「あなたは、誰ですか?」
ふと言葉にしたときに
はっと何かに気づいた。
この世界で一番疑問なのは、
私自身だ…。