みんな同じ顔
魔法の目
…しばらくしても何もおきなかった。
むしろ、頬をたていても何もおきない。
これは夢じゃない。
そう確信した。
私はこの手を誰かに見てもらうと思って
街へ出た。
そうだ、魚屋のじぃちゃんに見てもらおう。
「…あれ?」
ドアを開けるまではよかった。
でも、その先に見えるものは…なんだ?
いつもだったら、
私は庭を通過して、門をくぐって外に出る。
外に出ると大通りで、車が行交っていたはずだ。
でも、今なぜか
私が意識していた世界とはまるっきり違う世界だった。
どこが違うんだ?
そうだ、全部逆なんだ?
右にあるはずのピンポンはなぜだか左に配置されていた。
左にあった池は右にある。
私の目はどうしてしまったんだろう?