みんな同じ顔
私は急に怖くなった。
それは、今まであった固定概念が崩れていく恐怖だ。
好奇心は通り過ぎると恐怖にもなり得るのかもしれない。
とりあえず街に出ようと私は歩いた。
左右逆転した世界に戸惑いを覚えつつも
私は適当に道を歩いてみた。
おかしい。誰もいない?何も通らない??
そんなことを思っていると、
後ろからトントンと背中をたたかれた。
「こんにちは…」
…私は驚きをかくせなかった。
話し掛けてきたのは、
まぎれもなく、私だ…。
「どうしたの、私。」
私がたじたじになるとそいつは私を見て笑った。
「自分が…怖いの?」