嘘偽りの愛しい体温


「…こ、今日は」


『お前も買い物か?』


「あ、うん。そうなの。蓮也も買い物?」


『あぁ、まぁな』


「…そっか。じゃあ私はこれで…」




嫌な緊張感が解けずドキドキ胸の鼓動が高鳴る中二人に背を向け歩く




『ねぇ今の人誰?知り合い?』


『まぁな』




聞きたくなくても、背後から二人の話し声が聞こえる


やだ…もう…


本当に嫌


会いたくなかった


二人を見たくなかった。



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